【テンプレあり】ゼロから始めるユースケース図|作り方・書き方の完全入門ガイド

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ユースケース図の作り方テンプレあり

ユースケース図は、複雑なシステム要件を視覚化し、開発プロジェクトの理解とコミュニケーションを向上させる強力なツールです。

しかし、その有効な利用方法は、特に経験の浅いエンジニアにとっては少しチャレンジングかもしれません。

この記事では、ユースケース図の基本やその具体的な作成方法、さらには効果的な活用法まで、初心者でも理解しやすいように段階的に解説していきます。

ユースケース図をマスターすることで、あなたのプロジェクト管理スキルとシステム開発能力が飛躍的に向上するでしょう。

目次

ユースケース図の基礎知識

ユースケース図は、システム開発における要件定義とコミュニケーションの基盤を可視化してくれます。

このセクションでは、ユースケース図の根本的な概念、それがどのようにしてシステムの機能とユーザーの相互作用を表現するのか、そしてなぜそれがプロジェクト成功の鍵となるのかについて解説します。

これらの基本を理解することで、より複雑なユースケース図の作成に自信を持って取り組むことができるようになりますよ。

ユースケース図の定義

ユースケース図は、ソフトウェアやシステムの機能と、それを利用するユーザー(アクター)との関係を視覚的に表現した図です。シンプルな図形と線で構成され、システムが提供する機能とユーザーのインタラクションを示します。この図は、システムの外観ではなく、機能とユーザーの行動に焦点を当てています。

ユースケース図の歴史と進化

ユースケース図は、1990年代初頭にイヴァル・ヤコブソンによって提唱されました。彼のアイデアは、ソフトウェア開発の複雑さを理解しやすくすることにありました。以来、ユースケース図は多くの変遷を経て、現在ではUML(統一モデリング言語)の一部として広く使用されています。

ユースケース図の目的と役割

ユースケース図の主な目的は、システムがどのように機能するかを簡潔に伝えることです。特に、非技術者も含めたすべてのステークホルダーに対し、システムの概要を明確にするのに役立ちます。また、開発プロセスの早い段階で要件の不明瞭さや誤解を明らかにするのにも有用です。

ユースケース図のメリット

コミュニケーションの改善

ユースケース図は、開発チームとステークホルダー間のコミュニケーションを促進します。視覚的な表現は理解を容易にし、技術的な詳細に詳しくない人々との間でも、要件や機能についての議論を容易にします。

要件の明確化

この図は、システムが満たすべき具体的な要件を明確化するのに役立ちます。各ユースケースは、システムが提供する特定の機能やタスクを表し、これにより、何が開発されるべきかがより明確になります。

設計プロセスのサポート

ユースケース図は、設計プロセスにおいて重要な役割を果たします。これにより、システムの構造や機能を計画する際の基盤となり、より効率的で効果的な設計プロセスを可能にします。

ユースケース図のデメリット

限界と誤解

ユースケース図は有用ですが、その限界も理解することが重要です。例えば、システムの内部設計や詳細な動作プロセスは表現できません。また、図が不明瞭であると、誤解を招く可能性があります。

不適切な使用のリスク

ユースケース図の不適切な使用は、プロジェクトの誤った方向への進行を招くリスクがあります。不明瞭な図や誤った解釈は、要件の誤解を生じさせることがあります。

回避策とベストプラクティス

これらのリスクを回避するためには、図の明確性を保ち、定期的なレビューと更新を行うことが重要です。また、すべてのステークホルダーが図の意味を理解し、合意に至ることが不可欠です。

ユースケース図の基本ルールを押さえよう

ユースケース図を作成する上で、その効果を最大限に引き出すための基本ルールを理解することが不可欠です。

まず、最終アウトプットを見てみましょう。

各要素について理解を深めないことには、このようなユースケース図を描くことはできません。このセクションでは、ユースケース図作成の基礎となるルールと原則に焦点を当てます。

アクターの識別、ユースケースの定義、システム境界の設定など、図を明確かつ効果的に構築するための要素を、具体的な例とともに解説していきますので、一緒に理解を深めましょう!

システム境界

「システム境界」は、ユースケース図においてシステムが提供する機能とそれ以外の要素を区別するために使用されます。これにより、システムが何を行い何を行わないか、対象となるスコープはどの範囲かが明確になります。

プロジェクト

「プロジェクト」とは、特定のユースケース図が適用される具体的なシステム開発プロジェクトのことを指します。この文脈でのプロジェクトは、システムやアプリケーションの開発、改善、または拡張を目的とした一連の作業を指し、ユースケース図はそのプロジェクトの要件と機能を明確にするために使用されます。

アクター

アクターは、システムと相互作用する人物や他のシステムを指します。ユースケース図における主役を演じ、システムが誰によってどのように利用されるかを示します。

ユースケース

ユースケースは、システムによって実行される特定の機能やタスクを表します。これらは、アクターがシステムをどのように使用するかを示し、システムの要件を定義するのに役立ちます。

関係

ユースケース図における「関連(Association)」は、アクターとユースケース間の相互作用を示す基本的な概念です。関連は、アクターがユースケースに参加し、そのユースケースとどのように対話するかを表します。

  1. 目的と使用法:
    • 関連はアクターとユースケースの間のコミュニケーションの経路を示します。
    • これは、アクターがユースケースに与える入力や、ユースケースからアクターへの出力を表すために用いられます。
  2. 例:
    • 例えば、オンラインショッピングシステムにおいて、「顧客」というアクターは「商品を購入する」というユースケースに関連しています。
    • この場合、顧客は商品を選択し注文するという入力を行い、システムは注文確認の出力を顧客に提供します。
  3. 図示の方法:
    • ユースケース図では、関連は一般的に直線で表され、アクターとユースケースの間を結びます。
    • 線は通常、ラベルや矢印を伴わず、単純な線でアクターとユースケースをつなぎます。
  4. 関連の重要性:
    • 関連は、システムがどのようにしてユーザーと対話するかを視覚化し、システムの使用方法を明確にします。
    • これにより、ユースケース図はユーザーの視点からシステムの動作を理解しやすくなります。

ユースケース図における関連の適切な使用は、システムのユーザビリティと機能性を示す上で重要です。それにより、開発者やステークホルダーはシステムの要件と機能をより明確に理解し、効果的なコミュニケーションを図ることができます。

汎化(Generalization)

汎化(Generalization)は、一つのエンティティ(アクターやユースケース)が別のエンティティの特殊な形態であることを示します。これは、オブジェクト指向プログラミングにおける継承の概念に似ています。少しマニアックですが、具体的な内容も示します。

  1. アクターの汎化:
    • アクター間の汎化は、一般的なアクター(親)とより特殊化されたアクター(子)の関係を表します。
    • 例えば、「ユーザー」という一般的なアクターがあり、「管理者」と「一般ユーザー」がより特化した形態として存在する場合がこれに該当します。
    • 「管理者」は「ユーザー」のすべての特徴を受け継ぎながら、追加の特別な行動や役割を持つことになります。
  2. ユースケースの汎化:
    • ユースケースの汎化では、一般的なユースケース(親)からより特殊なユースケース(子)が派生します。
    • たとえば、「商品を注文する」という一般的なユースケースがある場合、これから「オンラインで商品を注文する」と「店舗で商品を注文する」という特殊なユースケースが派生することが考えられます。
  3. 図示の方法:
    • 汎化はユースケース図上で、一般的なエンティティから特殊なエンティティへ向かう矢印で表現されます。
    • 矢印の先端は空矢印(三角形)で、親エンティティから子エンティティへ向かいます。

ユースケース図における汎化は、システムの異なる側面や行動を効率的に整理し、共通の特徴を持つアクターやユースケースをグループ化するために役立ちます。

包含と拡張

ユースケース図における「包含(Include)」と「拡張(Extend)」は、ユースケース間の関係を示すための重要な概念です。

包含(Include)

  1. 目的と使用法:
    • 包含関係は、あるユースケースが別のユースケースの一部として常に実行される場合に使用されます。
    • これは、複数のユースケースに共通の機能やステップがある場合に特に便利です。
  2. 例:
    • 例えば、オンラインショッピングシステムにおいて、「商品を購入する」というユースケースは常に「支払いを処理する」ユースケースを含んでいるかもしれません。
  3. 図示の方法:
    • ユースケース図では、包含されるユースケース(「支払いを処理する」など)は点線の矢印で基本のユースケース(「商品を購入する」など)に接続されます。
    • 矢印のラベルには「<<include>>」と記述されます。

拡張(Extend)

  1. 目的と使用法:
    • 拡張関係は、あるユースケースが特定の条件下でのみ別のユースケースに追加される場合に使用されます。
    • これはオプショナルな振る舞いや条件付きの機能を示すのに適しています。
  2. 例:
    • 「商品を購入する」ユースケースの場合、特定の条件下で「ギフトラッピングを追加する」というユースケースが拡張として適用される場合があります。
  3. 図示の方法:
    • 拡張関係は点線の矢印で表され、基本のユースケースから拡張されるユースケースへと伸びます。
    • 矢印のラベルには「<<extend>>」と記述され、条件が必要な場合はその条件も記載されます。

包含と拡張の適切な使用により、ユースケース図はより柔軟で理解しやすいものになります。

ユースケース図の書き方:ステップ別ガイド

アクターの特定

ユースケース図の作成は、アクターの特定から始まります。アクターとは、システムと相互作用する個人や外部システムを指します。重要なのは、システムを利用するすべてのユーザーと、その他の関連システムを特定することです。これには、直接的なユーザーだけでなく、間接的に影響を受けるユーザーや他のシステムも含まれます。アクターを正確に特定することで、図は実際の使用状況をより忠実に反映します。

アクター別ユースケースの洗い出し

アクターを特定したら、次に各アクターに関連するユースケースを洗い出します。ユースケースは、アクターがシステムを使用して達成しようとする具体的な目標です。このステップでは、各アクターがシステムをどのように使用するか、どのような機能やサービスを利用するかを明確にします。この過程で、システムの機能やサービスの全体像が形成されます。

ユースケース図の構造と粒度の決定

ユースケースとアクターを特定したら、ユースケース図の構造と粒度を決定します。構造は、どのようにユースケースを図上で表現するかを決めるもので、粒度はユースケースの詳細レベルを指します。適切な構造と粒度を選ぶことで、図は明瞭かつ効果的に情報を伝えます。ここでは、図が読み手にとって理解しやすいレベルを目指します。

ユースケース図の作成

ユースケース図の作成は、システムの要件を視覚的に理解しやすくする重要なプロセスです。まずは、システムの主要な機能やアクター(システムと対話する人やシステム)を洗い出し、それらがどのように相互作用するかを図示します。このプロセスでは、具体的なユースケース(システムが提供する個々の機能やサービス)を特定し、それらの関係性を明確にします。適切なユースケース図は、システムの全体像を捉え、関係者間の誤解を防ぐのに役立ちます。

(参考1)大枠と詳細のバランスに目を向けよう

ユースケース図の鍵は、大枠と詳細のバランスを取ることです。初めは、システムの大まかな概要を示す高レベルの図から始めます。これには、主要なアクターと基本的なユースケースが含まれます。次に、これらの要素をさらに詳細化し、各ユースケースの具体的な流れや条件を示す詳細な図を作成します。この段階的なアプローチにより、システムを段階的に理解し、複雑な要件も明確に表現できます。

(参考2)発展的なアプローチ方法

ユースケース図の作成においては、発展的なアプローチも重要です。これには、ユースケース間の関連や依存関係を示す「拡張(extend)」や「包含(include)」の関係を用いることが含まれます。また、システムの異なる部分間で共通のアクターやユースケースを再利用することで、図の複雑さを管理しやすくします。発展的な技法を活用することで、より洗練され、包括的なユースケース図を作成できます。

ユースケース記述の補完

ユースケース図を完成させた後は、それを補完する形でユースケース記述を作成します。ユースケース記述は、テキスト形式で、各ユースケースの詳細な情報を提供します。ここには、ユースケースの目的、主要なアクター、基本的な流れ、代替フロー、事前条件、事後条件などが含まれます。ユースケース記述を通じて、図には表現しきれない細かな情報や特異点を明確にすることができます。

作成したユースケース図のチェックポイント

実際に手を動かす前に、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • システム利用者目線になっているか?
  • もっとシンプルにできないか?
  • 機能を不必要に分割していないか?
  • ユースケースの詳細レベルが揃っているか?
  • 表現に一貫性があるか?
  • ユースケースの補足説明は十分か?

ユースケース図は、作成者の手元を離れて一人歩きしても理解できる状態になっているべきです。これらの項目を充足できているか、再度見直してみましょう!以下、詳細に解説します。

システム利用者視点になっているか?

ユースケース図を作成する際、最も重要なのはシステムを利用する人々、つまり「アクター」の視点を理解することです。アクターはシステムとどのように相互作用するのか、彼らのニーズは何か、という点を明確に把握する必要があります。この理解は、ユースケース図が現実の使用状況を正確に反映するために不可欠です。利用者視点を中心に置くことで、より実用的で役立つユースケース図を作成することができます。

もっとシンプルにできないか?

複雑さは混乱の元です。ユースケース図では、シンプルさを保つことが重要です。複雑な図では、理解が困難になり、本来の目的である明確なコミュニケーションが損なわれてしまいます。シンプルな図は、重要な情報を直感的に伝え、チームメンバー全員が迅速に理解できるようにします。無駄を省き、必要な情報のみを盛り込むことが肝心です。

機能を不必要に分割していないか?

ユースケース図では、システムの機能を不必要に細分化しないことが重要です。機能を過度に分割すると、図が複雑になり、全体像が見失われがちです。一つのユースケースは、利用者が達成したい一連の目的を表すべきです。この原則を守ることで、ユースケース図はより整理され、明快なものになります。

ユースケースの詳細レベルが揃っているか?

ユースケース図における「粒度」は、ユースケースの詳細度を指します。一貫した粒度でユースケースを記述することが重要です。粒度がバラバラだと、図が不均一になり、解釈が難しくなります。全てのユースケースが同じレベルの詳細度で表現されることで、図は一貫性を持ち、より理解しやすくなります。

表現に一貫性があるか?

ユースケース図作成時のもう一つの重要な要素は、表現の一貫性です。用語、記号、フォーマットを一貫して使用することで、図の明瞭性が向上します。特に、チーム内で共有される資料では、この一貫性が重要となります。一貫した表現を使用することで、図の解釈における曖昧さを減らし、すべてのチームメンバーが同じ理解を共有できるようになります。

ユースケースの補足説明は十分か?

ユースケース図とともに、ユースケースの記述も作成することが推奨されます。これは、図だけでは伝えきれない詳細情報を記録するためです。ユースケース記述は、各ユースケースの目的、主要な流れ、例外条件などを詳細に説明します。図と記述を組み合わせることで、より完全な理解が可能になり、システムの設計と実装がスムーズに進行します。

まとめ&ユースケース図作成用テンプレートのご案内

ユースケース図とユースケース記述は、システム開発において重要なツールです。これらを適切に作成・利用することで、システムの要件を明確にし、開発プロセスをスムーズに進めることができます。初心者や若手エンジニアにとって、これらのツールは、複雑なシステムの理解を深めるのに役立ちます。

プロジェクトの初期段階でユースケース図を作成し、プロジェクトを通じてこれを更新し続けることで、常に要件に沿った開発が行えます。また、ユースケース図は、チームメンバーやステークホルダー間での明確なコミュニケーションを促進し、誤解を減らす効果もあります。

ユースケース図は継続的な学習と実践を通じて、より高度にスピーディに作成できるようになります。実践を通じてスキルを磨きましょう。また、実際のプロジェクトでユースケース図を積極的に使用し、経験を積むことも重要です。

手っ取り早く作成するためには、テンプレートの活用も有効です。Miroでは「ユースケース図テンプレート」を配布しており、ユーザーは自由に利用することができます。

Miro:ユースケース図テンプレート
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